阿波座駅に降り立つと
どこからともなく焙煎珈琲の香りが漂ってきます。
阿波座に根付く名物喫茶「珈琲館 茶孝(ちゃこ)」。

2022年の終わり頃から休業されていましたが
閉店の知らせを聞いたのは2023年春のこと。
水鯨の近くにあり、何度か伺っていましたが
自家焙煎のお店でタバコもOK、
いつも常連さんが多く賑わっていたこと覚えています。

2023年の6月に、何とかお店を残せないかと伺ったところ
マスターが身体を悪くされたことをきっかけに閉店を決断されたこと、
もう次のテナントが決まっており、工事の話も進んでしまっていたことを伝えられ
あと少し早ければ..とママさんと話したことは今でも悔やまれます。
閉店が決まってしまうと物件のオーナーさんはすぐに次のテナントを探すことが一般的で
閉店してから店主さんにお話しに行くと時すでに遅し..。
そんなことがとても多く
これまでも何件もの閉店した喫茶店さんと「あともう少し早ければ」とお話ししてきました。
次のテナントが決まると現店主の方はお金を払って内装を取り壊します。
長年親しまれてきた喫茶店が瞬く間に壊される現場を見ることに
心が張り裂けそうになります。
閉店する前にもっと早く情報を知れること
お話しできることが一番の理想なのですが..。
今回の茶孝さんも内装は全て取り壊す話だったので
後継者を探すことは叶わず。
そんな中、滋賀県湖南市でコーヒーロースターを営む
「DONGREE COFFEE ROASTERS」さんに内装レスキューの相談をしたところ
快くお話を聞いてくださり、
DONGREEさんの店内に茶考の内装を使った「喫茶室d」を作ってくださることになりました。
そのほか新大阪のコーヒーショップ『ショッピングプラザコーヒー』さんや
『喫茶 古月(コーヒーハウスモカさん継承者)』さん、『アカマツ珈琲』さんなど
たくさんのお店さんが内装レスキューをしてくださりました。






私たちもテーブルや椅子などの調度品、
長年使われてきた焙煎機を受け継ぐこととなり
水鯨の焙煎室には茶孝さんのメニューボードと共に
茶孝のマスターが毎日のように綺麗に磨いていた焙煎機が置かれています。
お店を継承することは叶いませんでしたが、
たくさんのお店に受け継がれた調度品たちは
第二の人生として新しい店主との道を進んでいくのだと思います。
マスター、ママさんの想いを受け継ぎ、大切に使わせていただきます。
今回ご協力いただいた皆様
ありがとうございました!